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裁判員ネット・インターン体験記 その㉑

2015年6月30日

裁判員ネットでは、定期的に裁判員ネットで活動する学生をインターン生として募集しており、現在第13期インターン生を募集しております。インターン生は、裁判員裁判市民モニターの運営や裁判員制度に関する調査活動、法教育に関する講座・授業の運営などを担当したり、裁判やそこから見える社会の課題について意見を交わし、自分たちの問題として考え、広く発信する活動をしています。

今回は、第11期のインターン生の「体験記」をお届けいたします。裁判員ネットでの活動に関心を持たれた方や、「インターンをやってみたい」と思っている学生のみなさんは、ぜひご一読ください。

■挑戦の中で得たもの

第11期インターン生・岡田桃香さん(法学部2年)

大学生になってから初めて『挑戦してみたい』と思い飛び込んだものが、この裁判員ネットのインターンシップでした。もともと裁判員制度自体にも興味がありましたがそれ以上に『強くなりたい。自分という人間を知りたい。』という思いから始めたインターンシップでした。しかし私が思っていた以上に仕事は社会人に求められるようなレベルのものもあり、インターンシップを初めてすぐの頃は時間に追われてしました。しかし、いつの頃からか、裁判員ネットでのタスクを抱えていても時間に追われているようには感じなくなりました。どうしてだろうと考えてみると、知らず知らずのうちに隙間の時間の使い方が上手くなっていることに気が付きました。やらなければならない事がたくさんあるからこそ、どうすれば効率よく出来るかということを、考えて行動することができていたのだと思います。また、裁判員制度という考えるべき点がたくさんある問題について、多くの人と意見交換を行い、ディスカッションをしたことで物事に対し多角的な視点を持つことができるようになったと感じています。1つの物事に対し、多くの見方を持つこと。そのたくさんの考えの中からより良い考えを自分の意思で選ぶこと。そのことの重要性を痛感させられました。

この5か月間、振り返るとこんなにもたくさんの仕事をやったのだと驚きました。しかし、どれも私ひとりの力ではなく周りの方々の協力があってこそ達成することができたものでした。なかなかうまくいかず泣きたくなった時もありました。不甲斐ない自分に悔しさや苛立ちを感じた時もありました。そんな私を支えてくれたのは同じインターン生、スタッフさんの頑張りや優しさでした。インターンシップを終えてみて一番に感じたことは、『私はいつも周りの人々に支えられている』ということでした。そのことを深く感じることできたこの期間は、私にとり、とても大切な時間でした。また、今まで知らなかった自分の強みや弱みに気付くこともできました。強みは活かし、もっと磨きたいと思うと同時に弱みに真っ直ぐ向き合うことの大切さを感じています。自分の弱みにしっかりと向き合い、少しずつでも変えていきたい。そんな風に思うようになりました。

『強くなりたい。自分という人間を知りたい。』という当初の目標にどれだけ近づけたかはわかりません。しかしただひとつ確かなことは『裁判員ネットでの活動という挑戦を通して出会えた、今の自分が好きだ。』ということです。自信を持って5か月前の私に言えると思っています。私にたくさんの事を教えて下さった裁判員ネットのスタッフの方々や同期のインターン生、また活動を通して出会った方々に感謝の気持ちでいっぱいです。今回の裁判員ネットでの活動のように、奮闘の中で得られたものが自己成長に繋がると信じてこれからも前へ進んでいこうと思います。

■打ち破るべきは自分自身の壁

第11期インターン生・渡邊昂哉(法学部3年)

まるで少年漫画で使われていそうな題名ですが、裁判員ネットでのインターンを終えた今、真っ先に思い浮かんだ言葉がこれでした。

もともと法律への関心があったこともあり、大学のキャリアセンターで裁判員ネットのインターン生募集チラシを見つけたときは「これだ」と思いました。しかし、5ヶ月間という長期インターンシップであり、所属しているゼミやサークル等と両立できるのだろうか、自分は本当にやっていけるだろうかという不安も同時に感じました。友人からも「そんなに長期のインターンできるのか?」と心配されてしまう状態でした。

不安要素がある中で、それでも裁判員ネットのインターンに参加したのは、周りで誰も経験したことがないものに挑戦することが自らの成長に繋がるのではないか、という考えに至ったからです。ですから私にとって完全に未知なる領域への一歩でした。

いざ裁判員ネットの活動に加わってみると、あっという間に感じられるほど刺激的で濃密な5ヶ月間でした。裁判員裁判の傍聴、合宿、様々な勉強会、フォーラム開催に加え、それらを準備するために毎週行われる会議。各メンバーには社会人としての迅速さや的確さが求められます。はじめは四苦八苦してしまいましたが、スタッフの方々からのアドバイスを得ながら、また同期のインターン生たちとのチームワークで進めていくうちに、各々が着実に成長していきました。人の成長を間近で見ることが自分自身のやる気や成長にも繋がり、非常によいサイクルを生んでいたのではないかと思います。

裁判員ネットではスキルアップの喜びだけでなく、真剣に考えて、気付きを得ることそのものの喜びも得られました。今の若い世代は社会に対して無関心だと言われることもありますが、少なくとも裁判員ネットに集う人たちは違います。皆で裁判を傍聴し、考察し、議論する。これら全ての場面に、妥協せず真剣に取り組むこと。このような姿勢は、あらゆる局面において役立つのではないでしょうか。

ある社会問題や事象に対して積極的に、それも若者が中心となって関わることができる「場」というのはとても貴重なものです。しかし、残念ながらそういった「場」はどこにでもあるわけではない、というのが現状だと思います。実際にその場に行って、見て、議論することで、情報を鵜呑みにするだけではなく、真の意味で自分の頭で考えることができる。こういった経験は、その後の人生に変化を与え得るものであると思います。

結局、「不安」という壁を作り出していたのは自分自身で、インターンシップの説明会に行こうと決意したときの、自分自身で踏み出した一歩が重要だったのだと痛感しています。この一歩のおかげで信頼できる仲間と共に歩めたことを嬉しく思います。

■たくさんの経験と成長

第11期インターン生・小林玲菜さん(法学部1年)

私が裁判員ネットのインターンシップに参加した理由は、大学の講義では学べない「現場での法学」について学びたかったからです。実際に裁判を傍聴したり、その傍聴した裁判について議論を行ったり、弁護士である理事と一緒に活動したりする中で、幅広い「生きた法学」に触れることができたように思います。

それだけではありません。私は裁判員ネットのインターンシップに参加して大きく成長することができました。

大学に入学してからの私は、自分の自由な時間をうまく使いこなせないままでした。授業に行き、サークルに行き、アルバイトをする、という毎日の繰り返しで、それが精一杯だと思っていました。一方で、このまま大学生活が終わっていくことに対する不安が漠然とありました。

インターンシップを始めて、取り組むべき仕事に優先順位をつけることを学び、目先のことだけに集中せずに先のことまで見通せるようになりました。このことは他の場面でも活きると思っています。やるべきことをやり、そのあとの時間を勉強や趣味に費やすことができる。今では以前よりも充実した日々を過ごすことができています。そして改めて自分のスケジュール帳を見返してみると、自分の感覚では「忙しい」と感じていた大学入学当初は、実は全く予定が入っていなかったことに驚きました。そうしたことから自分の「キャパシティー」が広がったのではないかと感じています。

5か月という期間は長いようで短いものです。インターンを始める前の予想を超え、充実し、濃い体験をすることができました。仕事をうまくこなすことができずにプレッシャーを感じたり、自分の未熟さを痛感した時もありました。そんな時でも周りの方がフォローをして支えてくださいました。こうした人とのつながりの大切さを実感しています。また、一つの目標に向かってチームとして動くことの大事さや自分たちの働きかけが社会につながっているということも実感し、チームの中で役割を担うことの責任と達成感とを味わうことができました。

私はこのインターンシップに参加をして本当に良かったと感じています。そして今後も更なる成長を目指していきたいと思っています。

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