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裁判員ネット・インターン体験記 その⑩

2013年1月7日

裁判員ネットでは、定期的に裁判員ネットで活動する学生の方をインターン生として募集しており、現在第8期インターン生を募集しております。インターン生は、裁判員制度市民モニター企画・運営などを担当し、それを通して裁判やそこから見える社会の問題点について取材や議論を通して自分たちで考え、広く発信する活動をしています。
今回は、第6期のインターン生の「体験記」をお届けいたします。裁判員ネットでの活動に興味を持たれた方や、「インターンをやってみたい」と思われている学生のみなさんは、ぜひご一読ください。

成長を実感し達成感を得た

第6期インターン生・金澤諒子さん(法学部法律学科2年)

大学1年目を遊びとアルバイトに費やしてしまい、このまま大学生活を終えて良いのだろうかと考えていた矢先、裁判員ネットのインターン生募集のチラシを見つけ、「インターンシップって面白そうだし、社会勉強もしてみたい!」と思い早速応募しました。インターン生としての5か月間はとても忙しく、スタッフの方々との知識やスキルの差を感じ落ち込むこともありましたが、身の回りの物事に対するアンテナの感度を高めることができ、また、大学生でも社会に何かを発信できる、社会や人を動かせるという自信や達成感を得ることが出来ました。
裁判員ネットではインターン生も「社会人」として扱われ、多くの仕事を任されます。初めは自分の中に「まだ大学生だから」という甘えがあり、周囲にうまく気配りができなかったり、責任の重さに押しつぶされそうになったりすることもありました。それでもスタッフの方々の丁寧なサポートによって乗り越えることができました。また、大学生の私を信頼して仕事を任せてくださることはとても嬉しいことでもありました。活動を通じて、組織運営をする上での仲間との連携の大切さも学びました。報告・連絡・相談といったコミュニケーションがなければ、組織内での信頼関係や、効率良く仕事をこなす環境を作ることはできないのだと身に染みて感じました。
裁判員ネットには毎週の会議に加え、市民モニター後のディスカッションや模擬評議など、自分の意見を述べる場がたくさんあります。私は自分の意見を言うことがあまり得意ではありませんでしたが、スタッフの方々や他のインターン生がどんな些細なことでも耳を傾けてくれたため、次第に積極的に発言することができるようになりました。5か月間にわたってこのような環境に身を置くことができたからこそ、積極的な自分に変われたのだと感じています。
このようなスキル面での自己成長だけでなく、裁判員制度に関する知識や見識を深めることができたことも大きな収穫でした。このインターンシップに参加していなければ裁判員制度について真剣に考えたり、実際に裁判員裁判を傍聴し現場を見ることは無かったと思います。また、専門家のみの視点から議論されがちな裁判員制度を市民の目で見るからこそ、賛成か反対かという議論からは見えてこない問題点に気づくことができたと思います。制度施行から3年が経ち、見直しに向けての動きが始まり社会的な関心もある中で、提言を作成したりフォーラムで発表したりすることは意義深いものでした。
参加のきっかけはちょっとした好奇心でしたが、インターン生のやる気を重視し、長い期間かかわりを持つ裁判員ネットのインターンシップに参加したからこそ達成感や自己成長を味わうことができたのだと思います。本当にありがとうございました。

■偶然手にしたチラシが大きな転機になった

6期インターン生・長谷川慎也さん(法学部法律学科2年)

私の裁判員ネットでのインターンシップは一枚の落ちていたチラシから始まりました。友人が鞄から落とした一枚の紙を拾ったら、それが裁判員ネットのインターン生募集のチラシだったのです。私はそのチラシをもらい、実際にインターンシップに応募しました。あの時チラシを拾わなかったら、チラシはどこかに飛んでいき、私がいろいろな人と出会い、自己成長や気づきを得ることはなかったでしょう。
インターン期間中で一番印象に残っていることはフォーラムです。フォーラムまでの道のりは険しいものでした。フォーラムの準備期間にはいろいろなタスクを抱えていました。私はフォーラムの広報、報告書作成のためのデータ分析、提言作成のためのリサーチなど、多数の領域にかかわっていました。たくさんの仕事を与えてもらうことは、責任が重くなる一方で、とてもありがたいことでした。これらのタスクを通じて裁判員ネットという団体についても良く知ることができました。フォーラム準備の過程を通して、自分の課題、克服すべき点がいくつも浮かび上がってきました。たくさんのタスクに圧倒されてしまい、うまくすべてをこなしていくことができないということもありました。仕事の質の高さを維持しきれないことや、締め切りを守れずほかのメンバーに迷惑をかけてしまうということもありました。こういった課題点はこれから社会に出ていくにあたって必ず克服しなければならないことだと思います。このインターン期間中にそれらの課題点をすべて克服できたのかといえば、なかなかそうとは言えません。それでも、自分にはこれらの課題があるのだということを知ることができたということが、自分にとってはとても大きな収穫でした。
苦労しながらも皆で準備したフォーラムの場で、最終的に登壇者として発表をした経験は人生において本当にかけがえのないことでした。メディアの取材も複数入っている中、ステージ上で発表をするのはとても緊張しましたが、それまで一緒に頑張ってきた皆の努力もかみしめながら、一生懸命発表をしたつもりです。大舞台を乗り切った達成感も味わえましたし、大勢の人の前で話す度胸も少しついたように思います。本当に裁判員ネットのメンバーの方々には感謝しています。
裁判員ネットのインターン生としての活動はどれもが刺激的で有意義で、本当に得るものが大きかったと感じています。間違いなく私の人生に重要な一石が投じられたと思います。自分の人生を変えるような大きなチャンスは本当に身近なところに落ちているものです。この先もそうしたチャンスをつかみ、成長していきたいと思います。

■新しい出会いとたくさんの学び

6期インターン生・分部友莉子さん(法学部法律学科3年)

裁判員ネットでのインターンシップを始めたきっかけは、大学の講義で配布されたインターン募集のチラシでした。そのとき私は大学生活の2年目を終えようとしていて、すでに大学での部活動、サークル、アルバイト全てに慣れ、決まった環境の中で馴染みの人たちに囲まれた大学生活を送っていました。裁判員ネットのチラシに大きく書かれた裁判員制度という言葉に法学部生として興味を引かれたというのもありますが、新しい人たちとの出会いを欲していたというのが大きな応募動機だったように思います。
私は大学2年生の夏休みを大きな後悔と共に終えました。数回の旅行とサークル活動、そしてアルバイト。それらのためだけに費やすには私には2ヶ月間は長過ぎました。チラシを手にしたときはちょうど、「春休みこそは後悔しないように過ごそう」と心に決めた時期だったので、良い機会と思いまずは説明会に足を運ぶことにしました。
説明会で裁判員ネットの活動について詳しく聞き、その内容に非常に感銘を受けました。私は、裁判員制度に対して、3年前の制度開始当初こそ各種メディア等で大々的に取り上げられたものの、多くの人々の間では現実味を帯びないままにその制度を継続させてきた、という印象を持っていました。私自身、法学部生でありながら、恥ずかしいことにこの3年の間に多くの市民が実際に裁判員を経験していたということを意識してはいませんでした。そのような中で裁判員制度開始当初から市民の視点で傍聴・検証を重ねてきた裁判員ネットによる提言などに触れたことで、多くのことを考えるきっかけを掴むことができました。
裁判員制度の現状や課題を肌で感じながら学べたことは私にとって大きな財産となりました。教室で椅子に座って講義を受けていてもわからなかったことをたくさん学べたと思います。インターン生であっても自分たちと同じように扱ってくださる理事の皆様や学生スタッフの方々の姿勢には嬉しいやら畏れ多いやら複雑な心境でしたが、その分やりがいを感じ、また期待に応えたいという気持ちも強く持つことができ、モチベーションを保ったまま最後までインターンシップを続けることが出来ました。
裁判員ネットから私は本当にたくさんのことを与えてもらい、多くの学びを得ることができました。大きな感謝と共にインターンシップを終えることが出来ることを嬉しく思います。ありがとうございました。



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