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裁判員ネット・インターン体験記 その⑰

2014年6月17日

裁判員ネットでは、定期的に裁判員ネットで活動する学生をインターン生として募集しており、現在第11期インターン生を募集しております。インターン生は、裁判員裁判市民モニターの運営や裁判員制度に関する調査活動、法教育に関する講座・授業の運営などを担当したり、裁判やそこから見える社会の課題について意見を交わし、自分たちの問題として考え、広く発信する活動をしています。
今回は、第9期のインターン生の「体験記」をお届けいたします。裁判員ネットでの活動に関心を持たれた方や、「インターンをやってみたい」と思っている学生のみなさんは、ぜひご一読ください。

■一つ一つの挑戦が自信になった

第9期インターン生・村川夏実さん(法学部1年)

私が裁判員ネットのインターンシップに参加しようと思ったのは、大学の先輩に誘われたことがきっかけでした。まだ大学に入ったばかりでしたが、高校生までではできなかった何かに挑戦したいという気持ちで説明会に参加し、そのまま面接を受けました。
初めてのインターンシップは、とにかく驚きと戸惑いと発見の連続でした。今までにも授業の課題として裁判傍聴を経験したことはありましたが、裁判員ネットの裁判傍聴では参加者全員で傍聴した裁判について振り返り、意見を交換する場を設けます。学校の外で活動し、社会とつながるというのはとても新鮮でした。その他にも、半年に1回のフォーラムに向けた準備、刑務所見学など、インターンシップを行った5ヶ月間は非常に充実していたと思います。
大きい規模ではフォーラム、小さい規模ではディスカッション、企画のための会議など、裁判員ネットの活動では自分の意見を外に発信する機会がとても多く与えられました。そして、意見を述べ、実際に企画に関わっていくことで、一つの企画を成功させるためにこれほどまでの労力を必要とするのだという見えない部分での大変さ、また事前準備の重要さに気づくことができました。たくさんの機会に恵まれる中で、時には上手くいかず、自分の至らなさに気づかされることもありました。
それぞれの活動を進めていく上で、たとえば議事録や文書の書き方など、これから社会に出ていくうえで重要なスキルも身につけることができ、その一つ一つが自信へとつながっていきました。そして、これらの活動を通して、主体的に取り組むことの意義を自分で見つけることができました。どんなに小さな役割でも、責任をもってやりとげることは、必ず自分のスキルアップへとつながると思います。
私は、裁判員ネットでインターンをすることができてよかったと思います。それは、さまざまな体験をできたからというのも一つの理由ですが、温かく支えてくれた理事、スタッフ、そして同期としてともに頑張ってきたインターン生と出会えたからです。裁判員ネットには、一生懸命になれる場所と機会があり、頑張る私を支えてくれる温かい仲間がいます。お互いを認め合うとても良い雰囲気が作られているのです。たとえ失敗しても上手くいかなくても、それを指摘して、親身になって手を差し伸べてくれる人がいます。だからこそ、私は安心してタスクに取り組むことができましたし、お互いの良いところに気づいて一緒に成長することができました。
本当に5ヶ月という期間にこれだけのことをしたのだろうか、と不思議に思うくらいさまざまなことを経験できました。貴重な大学生活の中で裁判員ネットに出会えて、その活動に関わることができて本当によかったです。この間に得られた自信や責任感、主体性などを、これからの大学生活の糧にしていきたいです。

■成長を感じた5ヶ月間

第9期インターン生・石井優斗さん(法学部1年)

私が裁判員ネットに出会ったのは大学1年生の7月のことでした。当時ただ漫然と授業を受け、友達と遊んで日々を過ごしていた私は、その生活を変えたいと思っていました。たまたま裁判員ネットのインターン募集のチラシを受け取り、「成長したい人を求めている」というメッセージが目にとまった私は、インターンシップの説明会に申し込み、裁判員ネットで活動することを決めました。
裁判員ネットの大きな活動としては「裁判員裁判市民モニター」と「フォーラム」があります。どちらもインターン生が中心となってスタッフや理事の方々と協力しながら企画・運営を行います。これは、今まで何かを与えられて行動していた私にとって初めての経験で、最初は凄く戸惑いましたが、自分で考えて主体的に動くことの大切さを知ることができました。また、フォーラムの準備期間ではインターン生がそれぞれ仕事を受け持ち、責任者や副責任者となり活動しました。その中で私は、責任者としての自覚に欠ける行動をとってしまったこともあり、多くの方に迷惑をかけてしまいました。このことが未だに心残りである一方、自分のなかでは大きな糧にもなりました。
裁判員ネットでは多くの人との出会いがありました。大学も学年も異なる同期の仲間と共に支え合い、楽しく過ごしたことはよい思い出です。また理事やスタッフの方々にはインターン生としての活動をサポートしていただきました。時には厳しい指摘をされたり叱責を受けることもありましたが、私のことを思って言ってくれているということがしっかりと伝わってきました。理事やスタッフの方々からの指摘や助言によって私は成長することができたと感じると同時に、インターン生としての生活は理事やスタッフの方の助けがなければ成り立たなかったと思います。
裁判員ネットに参加して、「組織の中で活動する」とはどういうことかを学びました。また裁判員ネットは社会と接することが多く、学生生活ではあまり経験したことのない経験もできました。インターンシップの期間は5ヶ月間あり、長く感じられるかもしれませんが、実際に活動してみるとあっという間に過ぎてしまいました。多くのことを学ぶことができ本当に密度の濃い充実した期間でした。裁判員ネットで得たことをこれからの生活に生かしていきたいと思います。これらの経験は大変貴重なものとなると思うので、インターンシップへの応募を迷っている人にはぜひ一歩を踏み出してみてほしいと思います。
最後になりましたが理事の皆様、スタッフの方々、今まで本当にありがとうございました。

■さまざまな変化を実感できた

第9期インターン生・村下夏美さん(法学部1年)

5ヶ月間のインターンシップで、私はさまざまな面でこれまでの自分とは違った視点を持てるようになったと思います。裁判員ネットでは、大学1年生から社会人まで、幅広い層のメンバーが同じ場所で、同じ目的に向かって活動しています。大学に入って間もない私には、そのような場が新鮮で、色々なことを学ばせていただきました。
まず、社会人として働くとはどういうことなのかを多角的に教わりました。仕事をしていく上での基本的なマナーはもちろんのこと、仲間との接し方も重要だということを再認識しました。プライベートでもお互いを尊重しあうことで、より円滑に良い雰囲気で仕事ができるということを学び、自分なりにどうすればよいのかを考えて(時に空回りしながら)何とか行動に移そうとしていたのも良い思い出です。理事やスタッフの方々が常に周りを気にかけて話かけてくださるのを見て、コミュニケーションをとることの大切さを実感しました。また、人と協力して働く上で、何をいつまでにやって、どのタイミングで報告するかなど、時間を意識して行動するようになったのも、自分が成長したと思う点です。今までは仕事はできるだけ早くやる、ということしか考えていませんでしたが、それを受け取る側のことを考えられるようになったのは大きな変化だと思います。加えて、インターンシップを初めてから、スケジュール面で自己管理ができるようになったと思います。仕事を引き受ける際に、自分の今後の予定を見据えて量を調整するなど、積極的になる場面と、自分のスケジュールの限界を考える場面とを見極められるようになりました。
また、裁判員制度のみならず、社会そのものに対する見方にも変化があったと感じています。市民モニターで実際に裁判員裁判を傍聴したり、刑務所を見学したりすることで、今社会がどのように変わろうとしているのかを肌で感じることができました。裁判について、今までは「大変なもの」「つらいもの」というイメージを漠然と持っていましたが、実際の裁判を全日程傍聴し、模擬評議も経験したことで、量刑を考えることが身体的にも精神的にも相当の負担を感じるものだということが現実味を伴って感じられました。また、それを踏まえて裁判所や様々な団体が裁判員の負担を軽減するための取り組みを行っているということも知ることができました。自分が当事者として制度に関わることで、今まで知ろうともしていなかったことが次々と目の前に現れて、本当にたくさんのことを学ぶことができたと思います。また、自分が持っている刑事司法に関する知識とも有機的につながる部分が多く、以前に比べて様々な切り口から社会や制度を眺めることができるようになったのではないかと思います。
この5ヶ月間で私が得たものは、まだ気が付いていないだけで、これ以外にも数多くあるのだろうと思います。たくさんのチャンスをくださった理事やスタッフの方々に感謝しつつ、これからも精一杯自分のできることをしていきたいと思います。

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