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裁判員ネット・インターン体験記 その⑯

2014年1月19日

裁判員ネットでは、定期的に裁判員ネットで活動する学生の方をインターン生として募集しており、現在第10期インターン生を募集しております。インターン生は、裁判員制度市民モニターの企画・運営などを担当したり、裁判やそこから見える社会の問題点について意見を交わし、自分たちの問題として考え、広く発信する活動をしています。
今回は、第8期のインターン生の「体験記」をお届けいたします。裁判員ネットでの活動に関心を持たれた方や、「インターンをやってみたい」と思っている学生のみなさんは、ぜひご一読ください。

■失敗を乗り越えスキルを磨いた

第8期インターン生・西貝康太さん(法学部2年)

私は裁判員ネットでのインターンシップを通して、社会に出たときに必要なスキル――物事を深く考え、それを積極的に主張する力――を得られました。それは学校やアルバイトでは得ることのできなかったスキルです。この活動に参加するまでの私は、将来の夢はあるもののそれに向けた特別な取り組みはしておらず、学校とアルバイトに行くという生活を繰り返すばかりで、本当に自分は大学生なのか?もっとやれることはないか?と物足りなく感じていました。そんな時、大学の授業で裁判員ネットのインターン募集のチラシを受け取ったのです。もともと、裁判員制度自体に興味があったということもありますが、何か新しいことをやってみようと思っていたタイミングでこのチラシを受け取ったことに少なからず運命を感じていたのかもしれません。こうしてこのインターンを始めようと思いました。
最初から失敗をしてしまい、自分はやっていけるのだろうか、と思ってしまうときもありました。しかし、同期のインターン生や学生スタッフの方の支えがあり、頑張ることができました。裁判員ネットのインターンはこうした仲間意識を重視しており、チームとして動いていくことの重要性を改めて感じることができました。また、裁判員ネットのインターンシップではインターン生だからということで区別することはなく、スタッフと同じように責任をもって仕事に取り組むことが求められます。大きなイベントがあれば、インターン生が中心となって組織を動かし、何かの活動があればインターン生がその運営として動くこととなるのです。そこに伴う責任は大きなものですが、こうしたことを通して皆で協力するだけでなく、そこから一歩踏み出して皆を先導していくということもこのインターンシップで磨くことのできたスキルです。何事も自分が成長する意欲、つまり向上心を持っていなければ、どうやってもスキルは向上しません。このことを意識してインターンとしての活動に臨んでいたことで、自ら動いていく、また働きかけていく能力、すなわち主体性も向上したように思います。このようにして私は今までの生活では手に入れられなかったであろう社会的スキルをこのインターンシップで得ることができました。
大学生活を送る中で何かやってみたい、また何か物足りないと感じることがあると思います。そんな人にはこのインターンを勧めたいです。大学生活とは違った「社会」を見ることができるからです。さまざまな考えを持った人、他大学の人たちとの触れ合いは必ず刺激になります。そして、インターンを始めようという方はまず、壁にぶつかることがあったとしてもインターンを続けてみてください。そうすれば今の自分との違いにきっと驚くことと思います。

■他者とのコミュニケーションから得た学び

第8期インターン生・大八木智晶さん(法学部2年)

私が裁判員ネットの活動に初めて参加したのは、大学1年生の冬でした。かねてより法律には興味があり、法学部という学部を選択しましたが、学問的な法律ばかりではなく、法制度の現状をも知りたいと考えたことが応募の主な動機でした。
裁判員ネットで得ることができたものは数多くありますが、それらに関して、人と人とのかかわりが大きかったように感じています。このインターンシップを通して、私はそれまで知ることのなかった様々な視点を得ることが出来ました。裁判員ネットの活動の中では、議論し意見を交換する場が多く設けられています。刑務所見学や裁判傍聴といったプログラムを通してそれぞれが感じたことや考えたことを、議論を通してより深いものにすることができるという点が、裁判員ネットの魅力のひとつであるように思われます。法制度に関しては私自身も思うところがありましたが、議論の中で出される意見には、「そういう見方があったのか」と、いつもはっとさせられました。また、そのような場に身を置く中で、いかに自らの考えを伝えるか、そしていかに他の人の声に耳を傾けるかついて意識するようになりました。数々の研修や、定例の会議の中で、誰かと共に仕事をする上で不可欠なコミュニケーションスキルについて学ぶことができたことは、大変有意義であったと感じています。
2013年の5月、私たちは法教育をテーマにフォーラムを開催しました。フォーラムの当日、私は報告者として登壇するという役割を担いました。裁判員制度に関する報告を行いながら、組織の一員として大勢の前に立つことに対する緊張感と同時に、充実感をおぼえました。
正直に言うと、私はそれまでの活動の中で不安や焦りを感じることが多くありました。自らの失敗や反省点から、組織の中でちゃんと役に立つことが出来ているのかと考えることも少なくありませんでした。また、うまくスケジュールの調整が出来ず予定に追われることもあり、手一杯に感じることもありました。しかし、スタッフや理事の方々が、その都度フォローや丁寧な指導をしてくださったこともあり、約半年間のインターンシップを続けることが出来ました。
インターンシップの中で、それまで見えていなかった気付きを得ることが出来ました。自己実現の場として、自分がどうあるべきかについて改めて考えさせられました。普段の学校生活だけではできない多くの貴重な体験をすることができ、本当によかったと感じています。

■自分を知る5ヶ月間

第8期インターン生・小林貴幸さん(法学部3年)

私は大学の外に出た活動をしたことが無く、自信を持てるような経験も無かったため、何かひとつ新しいことをやってみたい、自分に何ができるか知りたいという気持ちから裁判員ネットに参加しました。活動に加わってすぐの頃は、ひたすら仕事を覚えたり裁判員制度について学んだりと、「受け」の姿勢から抜け出せていなかったような気がします。しかし、それも次第に変わっていきました。
裁判員ネットは常に自ら能動的に活動し、自分からできる範囲で仕事を取っていく環境があります。そのような場所であるために、責任を持ちながらも仕事の延長上で色々なことにふれて、自分の発想を活かしたり、新しい試みをする機会が多々あります。また、裁判員制度に関する理解や問題点を自分で導き出し、発見して社会に向け発信することが可能です。活動の中には、決められた担当者がインターン期間中を通して続ける仕事もあり、地道な仕事から自分と団体の活動が進歩していることを少しずつ実感できます。そして、自分から努力した結果はまた次に引き継がれるため、たとえ失敗したことでも次は成功させたいという気持ちにつながります。このように、各々が主体性を発揮して活動できることから、「やってみよう」というモチベーションを崩すことなく充実した5ヶ月間を過ごすことができたのではないかと思います。
インターンシップを通じて、自分が大きく変わったと感じています。まず、自分のやることに無駄が少なくなりました。これはインターン期間中、活動をする際はほぼ毎回その意義を考えることになるため、その習慣が身につき、普段から大雑把な私も「なんとなく」で動かずに合理的な行動理念を持つようになりました。続いて、自分の視野が広くなったことも挙げられます。これはインターン生がさまざまな大学から来ているため、他の大学の学生との話や活動を通して世間の幅広い分野に関心を持つ機会があるからだと思います。それまで自分の学校から出られずにいた私にとって、強い刺激になりました。そして、自分自身がどんな人間であるかを知ることもできました。インターン期間中はさまざまな活動にかかわるだけに、必然的に自分をためす機会に遭遇します。私はそこから自分は何が得意で、他人にはない何を持っていて、どんな性格やクセがあるのかを見つけることができました。振り返れば、これも他のインターン生の方々と本気で活動していたからだと考えています。

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