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裁判員ネット・インターン体験記 その⑪

2013年6月13日

裁判員ネットでは、定期的に裁判員ネットで活動する学生の方をインターン生として募集しており、現在第9期インターン生を募集しております。インターン生は、裁判員制度市民モニターの企画・運営などを担当したり、裁判やそこから見える社会の問題点について意見を交わし、自分たちの問題として考え、広く発信する活動をしています。
今回は、第7期のインターン生の「体験記」をお届けいたします。裁判員ネットでの活動に興味を持たれた方や、「インターンをやってみたい」と思われている学生のみなさんは、ぜひご一読ください。

■「組織を動かす」視点を学んだ

第7期インターン生・鈴木知美さん(人間社会学部国際社会学科2年)

私は、中学・高校時代に学級委員や生徒会、学内行事の実行委員など様々な場面で人をまとめる立場に立つ機会がありました。人前で意見を述べることに苦手意識はありませんでしたが、いざ組織をまとめようとすると、意見を集約しようとして発した言葉が空回りしてしまったり、チーム内での士気を保つことに苦労したりと、「組織をどう動かすか」について頭を悩ませる機会がたくさんありました。大学に進学してから、改めて「組織の動かし方」を学びたいと思った時、さまざまな企画の「運営」にかかわることができそうな裁判員ネットでのインターンシップを知り、参加しようと思いました。
メンバー全員が出席する毎週のミーティングでは、社会人か学生か、またスタッフかインターンかを問わず、皆で意思決定をするという体制をとっているのが新鮮でした。ミーティングや他のさまざまな場で、話し合いをする際の発言の仕方や、コミュニケーションの取り方など、先輩スタッフや同期のインターン生をお手本に多くのことを学ばせていただきました。中学・高校のように毎日顔を合わせることはなくても、組織としてのまとまりをもって活動できるのだと知ったこと、組織の一員として市民モニターやフォーラムなどを開催するという経験ができたことは、私にとって大きな収穫でした。
裁判員ネットのインターンシップは約半年間あります。私は長期に及ぶインターンを続けられるか不安に思っていました。実際、授業がある時には、毎週の会議に参加するのは大変だと感じることもありました。しかし、インターンを終えて振り返ってみると、一定期間インターンを続けるからこそ、期間中に自分を見つめ直し、自分の成長を実感し、それが次へのモチベーションへとつながる、というすてきな循環が生まれるのだ、と感じられます。私と同じような不安を感じて二の足を踏んでいる人がいるとしたら、ぜひ勇気をもってチャレンジしてみてほしいと思います。
末筆になりましたが、この機会を与えてくださったすべての方に感謝いたします。

■実体験に根ざした学びを得られた

第7期インターン生・横田篤さん(法学部法律学科2年)

私は大学入学前から刑事司法に興味を抱いてきました。しかし、大学の勉強は机に向かうことが中心で、司法の場をリアルに感じることはなかなかできませんでした。裁判員ネットの学生インターンの募集を目にして、市民を巻き込んだ積極的な議論を行っていること、裁判員裁判の傍聴などを通じて実際の司法の現場に触れられることなどに魅力を感じ、参加を決めました。
インターン期間中に2度、裁判員裁判を傍聴しました。傍聴を通じて初めて法廷の厳粛さ、裁判の重々しさに直に触れることができました。実際に罪を犯したことを認めている人を目の前にした緊張感と独特な息苦しさは忘れることができません。それまで「テレビの向こう側」だった法廷に自分がいることで、改めて「人を裁く」ことの重みを認識することができました。同時に、傍聴した裁判について模擬評議を行ったことで、事実認定や刑の量定など、裁判員が行わなければならない判断がいかに難しく、精神的な負担が大きいかということに気づくこともできました。
私はフォーラムの告知活動において重要な仕事を任されていましたが、当日130名以上の方にお越しいただき、盛況の内に終えられたことで大きな自信と達成感を得ることができました。また、フォーラムでは、市民モニター活動などにもとづいて裁判員制度の現状に関するレポートを行いましたが、市民の視点から国の制度改革の一端を担うことができるという手ごたえを得ることができました。
裁判員ネットでは、インターン生とはいっても活動の中心的な部分に大いに関わります。そのため、活動に参加する上では緻密な計画と入念な準備が必要でした。企画の提案、データの集計や資料の作成などを通じ、大学生活の中ではなかなか身につけることができないスキルを伸ばすことができたと思います。ですから、法律に興味を持っている人はもちろんのこと、「積極的な活動がしたい」、「社会人スキルを身につけたい」などの思いを抱いている人にもぴったりのインターンシップだと思います。私自身は、裁判員ネットでの活動を通して「仕事に責任感とプライドを持って臨む」ことを学びました。社会に出ていく上で支えとなる経験を得ることができ、インターンシップに参加して本当によかったと思っています。この経験を自分の将来に役立てていきたいと思います。

■さまざまな価値観に触れ成長できた

第7期インターン生・網野裕梨佳さん(法学部法律学科4年)

私は大学4年生ですが、自分自身を成長させたいと思い裁判員ネットのインターンシップに参加しました。
インターンシップの期間中に市民モニターとして初めて裁判員裁判を傍聴し、模擬評議を行いました。模擬評議の魅力のひとつは、参加者同士が真剣に意見を交わし、お互いの意見に耳を傾ける経験ができることだと思います。また、自分では気付かなかったことを共有できることがとても良いと思います。異なる大学、学部、学年から集まったインターン生との議論はとても得るものが多かったです。さまざまな考えや意見を聞くことができ、視野が広がったと思います。
また、インターン生はフォーラムに向けてそれぞれが何らかの役割を担い、責任者として活動することになりますが、この点は他のインターンシップにはない魅力のひとつだと思います。
裁判員ネットでのインターンシップを通じて、これまでとは違った人間関係の中に身を置くことで、多くの価値観を知り、自分自身の考え方や性格などを見つめ直すことができました。インターンシップの期間が進路選択の時期と重なっていたこともあり、心が折れそうになったこともありました。そんな私に元気をくれたのは同じインターン生の仲間でした。話をすることにより、辛いのは自分だけではないからもっと頑張らなくてはと思いました。辛いときこそ、もっと周りを見なくてはならないと思いました。
自分の仕事に責任をもつこと。仲間とひとつの目標に向かって頑張ること。インターンシップを通じて、普段の学生生活では体験できないことが体験でき、本当に自分のステップアップにつながったと思います。



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