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裁判員ネット・インターン体験記 その⑨

2012年12月19日

裁判員ネットでは、定期的に裁判員ネットで活動する学生の方をインターン生として募集しており、現在第8期インターン生を募集しております。インターン生は、裁判員制度市民モニター企画・運営などを担当し、それを通して裁判やそこから見える社会の問題点について取材や議論を通して自分たちで考え、広く発信する活動をしています。
今回は、第6期のインターン生の「体験記」をお届けいたします。裁判員ネットでの活動に興味を持たれた方や、「インターンをやってみたい」と思われている学生のみなさんは、ぜひご一読ください。

■多くの刺激を受け成長できた

第6期インターン生・大西隆寛さん(法学部法律学科2年)

裁判員ネットのインターンシップを通じて私は非常に多くのことを経験することができました。それは、どれも普段の学生生活の中では決して経験することのできない貴重な経験でした。ここではその中でも特に3つのことに触れたいと思います。
まず私は、インターンを通じて、「社会において必要とされる力とは何か」について具体的に学ぶことができました。裁判員ネットの活動で与えられる仕事は、たとえインターン生であっても高いレベルが要求され、その仕事には必ず責任が伴います。そうした責任感のもとで実際に仕事をこなす中で、1つの問題について深く考えることや自分の考えをわかりやすく相手に伝えることなどの大切さを知ることができました。これらは、今後社会に出て実際に働いていく中で必ず必要とされることだと思います。実体験を通じ、これに気づくことができたということが、自分の成長のひとつであると感じています。
2つ目に、「社会に対する影響力」について考える機会を持つことができました。第6期のインターン生は主に提言発表に向けての活動を行いました。その活動の成果を実際にフォーラムの場で発表し、会場に来ている方々の反応を見たとき、大きな達成感に包まれるとともに、学生であっても社会に対して影響を与えられるということに感動しました。その後、裁判員ネットの提言がテレビや新聞などのメディアで取り上げられているのを目にする中で、私は、社会を変えるためには「まず何か行動を起こし、それについて真剣に取り組む」ということが何より大切なのだということを肌で感じました。このフォーラムを経験したことで、私も将来社会に対して何か具体的な行動や取り組みを行いたいという思いが芽生え、これが将来の目標の1つとなりました。
3つ目に、「意欲的な仲間」に出会うことができました。インターン生として初めて会議に参加したとき、私は裁判員ネットで活動する学生たちのスキルや意欲の高さに驚きました。皆が自分の仕事に責任を持ち、それを全うしている姿はとても刺激になりました。このように、高い成長意欲を持つ仲間と仕事を共にできたからこそ、自分自身の成長があったのだと思います。
裁判員ネットでの活動は本当に良い経験となりました。大学生の時期に裁判員ネットの活動を通じて得た経験・気づき・仲間は、これからの自分にとって大きな糧であり財産であると思っています。

■活動を通じて自分に自信が持てた

第6期インターン生・茂木千尋さん(法学部法学科3年)

私はこれまで、自分には特技や秀でたところがない、という思いを抱いており、積極的に行動を起こせないでいました。そんな中、さまざまな分野で本気で社会を変えようとする、あるいは変えた学生を目の当たりにしました。ただ楽しいばかりの大学生活を過ごしていた私は、そのような人達に憧れを抱き、自身もそのように社会に影響を与えられる人間になりたいと思うようになりました。そこで、以前から抱いていた「市民にとって司法は身近であるべきなのに、現状はそうではない」という問題意識にもとづいて具体的な活動に取り組むべく、裁判員ネットでインターンを始めました。
約半年のインターン期間は、本当にあっという間でした。慣れないこともたくさんありましたが、理事やスタッフの方々の支えにより、濃密な日々を過ごすことができました。インターンを通して、裁判員制度についてより深く知ることができた、仲間同士での共有や連絡の大切さを身を持って知ることができた、など、大学に通っているだけでは得られなかったであろう経験や気づきに出会い、たくさんの学びを得ることができました。そして、何よりも自分自身を知ることができました。苦手なこと、比較的得意なこと、甘いところ、足りないところ、たくさん頭の中に思い浮かべることができました。
インターンの活動の中でもっとも印象に残っているのは、2012年5月に行ったフォーラムです。フォーラムでは「市民からの提言」として11項目の提言を発表しました。私は、この提言の作成段階から、いろいろな思いを持って取り組んできました。特に、提言作成の一環で行ったアンケートはまったく初めての経験である上、仕事の量も多く、本当に辛いと感じてしまうときもありました。しかし、それが無事提言の形になり、社会に出すことができたときには、きちんと自分の役割を果たしたという達成感を味わうことができました。この経験を通じて、「できないからやらない」というのではなく、「やってみたいからやってみる」ということが必要なのだと強く感じました。フォーラム当日100人以上の方が来場し、数多くのメディアが入っている中で、登壇者として裁判員ネットの提言を社会に発信する場面に実際に携わることができたことも、よい経験になったと思っています。
裁判員ネットでのインターン期間は終わりますが、これを新たなスタートとして、もっと素直に、もっと貪欲に、自分を高めていきたいと思います。支えてくださった皆さん、本当にありがとうございました。



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