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裁判員ネット・インターン体験記 その⑬

2013年7月1日

裁判員ネットでは、定期的に裁判員ネットで活動する学生の方をインターン生として募集しており、現在第9期インターン生を募集しております。インターン生は、裁判員制度市民モニターの企画・運営などを担当したり、裁判やそこから見える社会の問題点について意見を交わし、自分たちの問題として考え、広く発信する活動をしています。
今回は、第7期のインターン生の「体験記」をお届けいたします。裁判員ネットでの活動に興味を持たれた方や、「インターンをやってみたい」と思われている学生のみなさんは、ぜひご一読ください。

■私を成長させた「3つの出会い」

第7期インターン生・齋藤夏帆さん(法学部政治学科3年)

私は、裁判員制度について検索している時に裁判員ネットのHPを見つけ、団体の存在を知りました。そして、HPを見た週に大学でインターン生募集のチラシを見かけました。「このようなインターンがあるんだ。」裁判員制度について知りたいと考えていた私は、裁判員裁判の現場を学べるのではないかという思いからインターンシップに応募しました。
インターンシップの期間を振り返ると、色々な「出会い」がありました。1つ目は、活動を共にした第7期インターン生の皆との出会いです。それぞれ大学、学年が異なるメンバーの中で、3年生の私は年上でしたが、「インターン生としては皆同じ1年生だ」と思い、同期のメンバーの良いところを尊敬し、学び取るつもりで活動していました。皆との活動を通じて、チームワークの大切さ、お互いに対する信頼感などを深く感じることができました。
2つ目は、裁判員ネットのスタッフの皆さんとの出会いです。スタッフの皆さんは、私たちインターン生をサポートしてくださり、時には厳しく指摘をしてくださいます。初めは指摘されることが怖かったのですが、指摘によって自分の不十分な所を知り、新たにより良い自分へと成長できることに気づき、個人の成長のためにしてくださっているのだと思えるようになりました。スタッフの皆さんは親身になって相談に乗ってくださいます。そのおかげで、自己認識にも変化がありました。
3つ目の出会いは、「自分自身」とのものです。裁判員ネットのインターンシップは社会に触れる機会が多くあります。それゆえ何を行うにしても慎重さ、徹底する姿勢、大きな責任が求められます。そのような活動をしてゆく中で、私はこんな事ができるんだ!逆にこんな事が苦手なんだ!と今まで知らなかった自分と出会う事ができました。自分の中の強み・弱みが浮き彫りになり、それを一つ一つ受け入れていく。強みを発見した時はもっと活かしたいと感じましたし、弱みを発見した時はどうすれば改善できるかを考え、次へのステップにつなげることができました。
裁判員ネットのインターンシップは5か月間です。12か月のうちの5か月と考えると長いと感じる人がほとんどでしょう。しかしながら、その期間はあっという間に過ぎていきます。裁判員ネットのインターンシップでは信頼できる仲間と出会い、頑張った分だけ成長した自分と出会えます。参加を迷っている人がいたら、ぜひ一歩踏み出してもらいたい。5ヶ月後には、きっとあの時挑戦してよかったと感じられると思います。

■他者とともに考える姿勢を学んだ

第7期インターン生・諏訪博紀さん(法学部法律学科2年)

私が裁判員ネットでインターンを始めようと思ったのは、将来法曹を目指す自分にとって必要な知識や有益な情報を得、また実際にシンポジウムの開催に携わったり刑事施設を見学したりするという経験を積みたいと考えたからです。インターンを終えた今、初めに掲げていたこれらの目的は達成できたといえるように思います。しかしそれだけでなく、ここでの経験は、私の考え方にも多くの変化を与えてくれました。
たとえば、議論に臨む姿勢です。私は議論の場では積極的に発言をするよう常に心がけていましたが、その際、議論を活発化させテーマについてさらに深く考えるためには、自分とは異なる意見には徹底的に反論することが大切だと考えていました。しかし、今振り返ってみると、この頃の私は、反対意見を否定するための理由づけを必死に考え、とにかく自分の意見を押し通すことばかりしていたように感じられます。
裁判員ネットの活動では、定例会議をはじめ、模擬評議やフォーラムの報告書づくりの過程などで仲間と意見を交わす機会が多くあります。そこでの経験を積むうちに、自分の意見を主張したり、相手の意見の矛盾を指摘したりすることは大切であるにしても、異なる立場の意見を一度受け入れて自分の意見として考えたり、逆に自分の意見を客観的な視点から疑ってみたりすることも大切だと思うようになりました。このように相手の意見を尊重し、そのうえで批判するべきところは批判することでより議論に厚みが増していくように感じたのです。こうした姿勢を学んだことは、今後さまざまな場所で活きてくるのではないかと思っています。
他にも、裁判員ネットでは、社会人としての基礎的なスキルを学んだり、実際に傍聴した裁判から裁判員制度に関する具体的な検証を行うなど、大学の講義では学べない勉強・体験をすることができました。いざ社会に出ていく時が来たとき、ここでインターンをしたことがきっと大きな自信となって自分を支えてくれるように思います。

■「伝え、つながる」経験が大きな糧に

第7期インターン生・佐藤環(法学部法律学科2年)

5か月間、裁判員ネットのインターン生として活動してきました。5か月というと長い気もしますが、裁判員ネットの活動を振り返れば、あっという間に感じます。
私たちインターン生の目標は、2012年11月のフォーラムを成功させることでした。フォーラムの準備で、インターン生はそれぞれ告知活動の責任者を担当しました。責任者として担当の活動を促進しつつ、一方で他のインターン生から頼まれたタスクをこなしていました。そのためフォーラム直前は毎日非常に忙しくしていましたが、このように指示を受ける側と指示を出す側の両方の立場を経験したことで多くの学びを得ることができました。
これまで私は、何かの団体のリーダーになった時、どうしたら運営や活動が無事にできるかばかりを考えて指示を出してしまい、仲間に対しての礼儀や感謝を忘れてしまいがちでした。また、指示を受ける立場にまわった時には指示がないと自分で動けない、必要な動きを考え出せない、ということもありました。しかし、フォーラムの準備を通して、自分が仲間に仕事を依頼する時の接し方や責任者としての振る舞い方などを改めて見直すことができました。また、指示を受ける立場でも、責任者の負担を減らすためにはどうしたらよいかを考えながら仕事をするなど、能動的な姿勢を学ぶことができました。フォーラムが近づき、想像以上に大変だと感じることもありましたが、他のインターン生やスタッフが頑張っている姿を見ると、ここで自分も頑張らないといけない、と自分を奮い立たせることができました。150名以上の方を招いて行う大きな企画の準備から当日を迎え、本番が終了したあと協力してくださった方々に感謝を伝えるところまで責任を持ってかかわることができ、自分がやってきたことが身を結んだと強く実感することができました。
裁判員ネットでの活動を通して最も印象に残っていることは、「人とのつながり」です。私が裁判員ネットに入ってみようと思ったのは、大学の友人に誘われたからでした。また、フォーラムの会場近くでチラシを使った告知活動を行ったところ、そのチラシを見て多くの人がフォーラムに参加してくださいました。そしてインターンを終えようとしている今、私が友人を誘う立場となり、裁判員ネットに関心をもってくれる後輩に出会うことができました。これらの経験から、1枚のチラシを渡す、または1通のメールを送るといったささやかな行為であっても、伝えたいという強い気持ちがあれば相手の心に届くのだな、と思いました。また、届いた想いがさらにその先へバトンのように他の人にも伝わっていくことを、身を持って経験することができました。この経験を忘れずに、今後のさまざまな活動に活かしていきたいと思います。
裁判員ネットで出会った理事の皆様、社会人スタッフの方々、学生スタッフの皆様、インターン同期の皆さん、ありがとうございました。

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