ホーム > 裁判員ネットとは > スタッフコラム


スタッフコラム

>> スタッフコラム一覧へ

裁判員ネット・インターン体験記 その⑱

2014年6月23日

裁判員ネットでは、定期的に裁判員ネットで活動する学生をインターン生として募集しており、現在第11期インターン生を募集しております。インターン生は、裁判員裁判市民モニターの運営や裁判員制度に関する調査活動、法教育に関する講座・授業の運営などを担当したり、裁判やそこから見える社会の課題について意見を交わし、自分たちの問題として考え、広く発信する活動をしています。
今回は、第9期のインターン生の「体験記」をお届けいたします。裁判員ネットでの活動に関心を持たれた方や、「インターンをやってみたい」と思っている学生のみなさんは、ぜひご一読ください。

■忙しさから学んだ時間の使い方

第9期インターン生・上平達郎さん(法学部1年)

私は5ヶ月間裁判員ネットのインターン生として活動してきました。この間に様々な新しいことに挑戦し、様々なことを学びました。
5ヶ月前の私は大学生になって急に手にした膨大な自由時間をうまく使うことができず、このままでは自分の将来の夢を叶えられないのではないかという焦りに駆られていました。「裁判員ネットのインターン生として忙しくも充実した日々を送った」という体験談は、そんな私の心に響きました。このインターン経験者の言葉が決め手となって、私は裁判員ネットでインターンシップをすることを決めました。
忙しくも充実した5ヶ月間を経て、私は、自分が自由に使える時間を把握し、一日の時間を有効に利用するための術を学びました。これを実践できるようになった時、「自分にはこんなにも有効に使える時間があったのか」ということに驚きました。インターンシップを始める前は夜遅くまでテレビを見て、朝は講義に間に合うギリギリの時間に起き、通学の電車内ではぼーっと過ごすという日々が続いていました。しかし、私の生活スタイルは裁判員ネットの一員として活動していく中で大きく変化しました。今では、朝の講義が始まるまでの時間、電車に乗っている時間、帰宅してから寝るまでの時間など細切れの時間をうまく利用できるようになりました。おかげで一日にこなせるタスクの量が格段に増えたように思います。今、以前の自分を振り返ると、入学当初とはいえ大学4年間という限りある時間を無駄に使ってしまっていたなあと思います。
裁判員ネットに入った当初は、大学の講義、予備校、サークルなど色々なものに手を出しすぎていて、何かが手つかずになってしまうのではないかという懸念もありました。しかし自分の時間を自分で管理できるようになったことで、どのタスクも少しずつ確実にこなせるようになり、当初のあれもこれもやらなくてはというぼんやりした不安から解放されました。また今になって思えば、一つのことにかけられる時間が限られていることで、逆にどうすればもっと効率よく学べるのか考えたり、同じ時間でもより高い集中力で取り組めるようになったりとむしろ適度な忙しさが良い影響を及ぼしているように思います。
このように限られた時間をより有効に使えるようになったことには、裁判員ネットでの活動と学業等を両立させるという忙しい日々を過ごすうちに、「後で困らないためには今すぐにこのタスクをこなしてしまおう」という習慣が身についたこと、自分の時間を把握できるようになったこと、自分よりもさらに多忙な生活の中で努力されている理事や学生スタッフ、そして同期のインターン生と毎週顔を合わせることで「自分も負けてはいられない」という気持ちになれたことなどが影響していると思います。
これは、裁判員ネットに入って私が学んだことの一部です。この体験記が、私のように新しい挑戦への第一歩を踏み出す方の後押しとなれたなら幸いです。

■インターンシップを通して得た経験と自信

第9期インターン生・金澤果歩さん(教養学部3年)

私が裁判員ネットのインターンシップに応募した理由は「裁判員制度」というテーマに惹かれたからでした。しかしこの5ヶ月間を振り返ると、裁判員制度や刑事司法などの問題について見聞を深められたことはもちろんですが、想像していたより遥かに多くのことを得ることができたと感じます。
ひとつは仕事に対する姿勢です。私は今までの大学での活動などから、与えられた仕事や役割をこなすことにそれなりに自信を持っていました。しかし、裁判員ネットで求められる仕事のレベルはとても高いもので、どれだけ準備しても足りないと感じるほどでした。そのため思い通りにいかず落ち込むこともありました。ですが、だんだん先を見通して仕事を進めることができるようになり、また必要なことを自分で考えて工夫をする余裕も出てきました。ただ言われたことをこなすのではなく、常にベストな状態を目指す姿勢を学ぶことができました。さらに、議論の場では積極的に自分の意見を述べることができるようになり、「アウトプットをしていきたい」というインターンシップを始めた当初の目標も達成できたと思います。
また、インターンシップを通じて、たくさんのかけがえのない経験をすることができました。特にフォーラムで配布する報告書の執筆と登壇発表を行う機会を与えていただいたことは、強く印象に残っています。私は人前で話すことが苦手で、登壇者に選ばれたときには「自分にはできない」という気持ちもわきました。それでも皆で準備してきたフォーラムの成功に貢献したいと思い、一生懸命練習をして本番に臨みました。本番終了後はたくさんの人から「良かったよ」と声をかけてもらい、とてもうれしかったです。苦手に思っていたことで自分も満足のいく結果を得られたことは、大きな自信になりました。
このインターンシップで得た最も大きなものは「人とのつながり」です。私は法学部に在籍しているわけではないので、身近に裁判などに興味を持っている友人はほとんどいません。ですから、同じ問題に関心を持つ裁判員ネットのメンバーや理事の方々との議論や活動はとても新鮮で楽しいものでしたし、強い刺激となりました。またインターンの同期のメンバーとは互いに切磋琢磨しあいながら活動をしてきました。辛いときもくじけずにやり抜くことができたのは、同期の存在があったからだと感じています。そしてスタッフと理事のみなさんからは、本当にたくさんのことを学びました。時には厳しく、しかし良いところは褒めてくださり、自分の成長を感じながら活動することができました。
5ヶ月という期間は長いように感じるかもしれませんが、何もせずにいたらあっという間に過ぎてしまう時間でもあります。これほど濃厚な時間を過ごせたことに深く感謝しています。これを読んでいるみなさんも、ぜひ裁判員ネットのインターンシップを通して自分を大きく成長させてください!

■今、インターン参加を悩む人たちへ

第9期インターン生・菅井遥平さん(法学部3年)

私が裁判員ネットのインターンシップに参加しようと思ったのは、一つには、大学3年生になり就活を控え、何かインターンシップを行わなければ、という気持ちがあったからです。もう一つは、サークル活動等、他者とともに考え、何かを成し遂げるという経験をしてこなかったので、そうした経験を積みたいと考えたからです。裁判員制度について仲間と共に真剣に考える裁判員ネットのインターンシップであれば、自分の経験不足を十分に挽回させてくれるのではないかと考えました。
裁判員ネットのインターンシップは5ヶ月間と他のものに比べて非常に長く、その期間の中でフォーラム、市民モニター、出張講座など、数多くのイベントを企画・運営していきます。どの経験も、多くのスキルを身につけることに役立ち、自分の可能性を広げてくれました。そしてまた、そのどれもが、どんなに個のスキルを伸ばしたとしても、何かを成功させるためには決して1人ではできないのだということを教えてくれます。例えばフォーラムの準備や当日の運営は、同じインターンのメンバーや、OBOGの方の協力なしには成り立たないものでした。
裁判員ネットのインターンシップは、企業の内情を知ることができたり、就職に直結したりするものではありません。しかし、ここで出会った仲間は自分から仕事に参加して成長していこうという意欲が高く、いつも自分に刺激を与え、成長を促してくれました。ここで私が得たスキルや人脈、仲間は私の一生ものの財産であり、ここで長い時間をかけいろいろなことに参加しなければ得られなかったものです。
今、裁判員ネットのインターンに参加しようとして悩み、足踏みしている方々へ。裁判員ネットでインターンをすることは、必ずあなたに一生残る何かを与えてくれます。挑戦せずに後悔するよりも、一歩踏み出して自分の世界を変えてみませんか?

インターン生の体験記はこちらから!



COPYRIGHT (C) Saibanin.net.ALL RIGHTS RESERVED.