[コンテンツ追加]「裁判員制度・市民からの提言2012春」を公開しました
2012年5月20日
裁判員ネットは5月19日の公開フォーラムにて、裁判員制度の見直しについて「裁判員制度・市民からの提言2012春」を公表しました。
裁判員制度はスタートから5月21日で丸3年が経過します。制度開始から3年後には必要に応じて見直すと規定されていることから、いよいよ見直しの時期を迎えることになりました。
この制度は、その意義もわからないまま「いつのまにかできた制度」と感じている人も多いかと思います。市民の立場からすると「法律の専門家たちによって作られた制度」であり、この制度が作られるに際しては、市民が議論に参加するということはほとんど無かったと言えるのではないでしょうか。
市民が裁判員として司法に参加する制度の趣旨からすれば、法律の専門家だけではなく、多様な市民による議論が必要です。裁判員制度を私たちの問題として考え、制度のあり方やこの制度に私たちがどのように向きあうのかということについての国民的な議論が、制度が動いている今日だからこそ必要です。
裁判員ネットでは、この3年間「裁判員制度市民モニター」を中心に市民の視点から裁判員制度を考える活動を積み重ねてきました。これまでに200人以上が裁判員裁判をモニターとして傍聴し、モニタリング件数は370件以上になります。また裁判員を経験した方からのヒアリングも重ねてきました。
この『市民からの提言』は裁判員制度の「現場」を見た市民からの提案です。裁判員制度に市民が主体的にかかわるために必要だと考える、以下4つの分野・全11項目について提言としてまとめ、裁判員制度の現状と課題をできるだけわかりやすく整理し、具体的にどこを変えるべきなのかを記しました。
①「市民の司法リテラシーの向上に関する提言」
②「裁判所の情報提供に関する提言」
③「裁判員候補者に関する提言」
④「裁判員・裁判員経験者に関する提言」
これから始まる裁判員制度の見直しに際して、法律家だけではなく、新しく「司法の担い手」となった私たち市民の間でも幅広い議論が生まれるきっかけとなるよう、心からの願いを込めて、この提言を発表いたします。
■提言はこちらから見ることができます(PDF)