裁判員裁判を傍聴して
2016年5月1日
大学一年生の夏休みに裁判員ネットの市民モニターに参加して、覚せい剤の密輸についての裁判員裁判を傍聴しました。その事件は、関係者の数も多く、被告人が外国人で通訳が付いた裁判であったため、内容を理解することの難しさを痛感しました。
これが私にとって初めての裁判員裁判の傍聴でした。実際に裁判員裁判を傍聴して、ニュースや新聞記事で報じられているのは、ほんの一部であることに気づきました。被告人も、被害者も、裁判官も、裁判員も、法廷での話は人間味を帯びていて、傍聴をしているとどの人にも感情移入をしてしまいそうになります。裁判は、「人」と「人」の事件であり、「人」が「人」を裁くものだと感じました。このリアルな空気感は、決してニュースや新聞では感じる事のできないものでした。
それ以来、毎年の夏休みと春休みは市民モニターの活動として裁判員裁判を傍聴するようになり、今までに5つの裁判を傍聴しています。裁判員裁判を傍聴したことにより、将来自分が裁判員になっても、慌てずに事件と向き合える心構えが出来たと思います。
今までは裁判を傍聴したいと思っても、審理の日程を知ることが大変でした。裁判員ネットでは裁判員裁判の審理日程を独自に調べて得られた情報をホームページに掲載をしてきました。裁判員ネットの調査には限界もありましたが、裁判を傍聴したいと考えている人にとって、いつでもその情報がみられるということは大切なことだと考えて続けてきました。
裁判員裁判が始まって8年目を迎える今年、ついに最高裁判所は裁判の傍聴を希望する市民が審理の日程をインターンネットで見られるようにしてほしいと求める声を受けて、5月2日から地方の地方裁判所の裁判員裁判についての審理日程が公表を始めました。審理日程が事前にわかることで裁判をより傍聴しやすくなったので、これを機会に実際に法廷に足を運ぶ人が一人でも増えてくれればうれしいです。(裁判員ネット・小林玲菜)