
[コンテンツ追加]「裁判員制度・市民からの提言2018」を公開しました
2018年5月14日
裁判員ネットは2018年5月20日の公開フォーラムにて、裁判員制度改善ついて「裁判員制度・市民からの提言2018」を公表しました。
裁判員制度は5月21日で9年になります。裁判員制度は市民が司法に直接参加する制度であり、私たちは司法の新しい「担い手」となりました。しかし、市民の立場からすると、この制度は「専門家によってつくられた制度」であり、制度が作られる際は、市民が議論に参加するということはほとんど無かったと言えるのではないでしょうか。
裁判員ネットは、裁判員制度を自分たちの問題として捉え、情報を知り、一人でも多くの人と「共に考える機会」をつくりたいという想いから、この9年間、活動を行ってきました。これまでに裁判員裁判市民モニターには約300名が参加し、モニタリング結果は約650件にのぼっています。また、裁判員経験者からのヒアリングも実施し、裁判員裁判の現場の声を集める活動を行ってきました。
刑事司法においては、専門家だけに全てを委ねていたかつての状況は大きく変わりつつあります。裁判員制度のあり方について、私たちはもはや「他人事」ではなく「自分たちの問題」として主体的に考えていくことが必要です。私たち市民が刑事司法の担い手として、裁判員制度の実状を知り、意義を考え、この制度が社会にとって本当に必要なのかどうかも含めて議論することによって、市民の主体的な参加が実現するのだと考えます。
また、裁判員制度は市民参加の制度である以上、そのあり方について、専門家だけではなく、司法の担い手となった多様な市民の声を集め、検証し、制度に反映させていくことも重要です。どのように多くの市民の声を集めて、制度に活かすことができるのか。ここに、裁判員制度の価値と未来を決める最大の要素があるのです。
この『市民からの提言』は、裁判員制度の「現場」の定点観測を続けてきた、市民からの提案です。特に裁判員制度に市民が主体的にかかわるために必要だと考える、以下5つの分野・全14項目について、現状と課題をできるだけわかりやすく整理し、具体的に改善すべき点を記しました。
①「市民の司法リテラシーの向上に関する提言」
②「裁判所の情報提供に関する提言」
③「裁判員候補者に関する提言」
④「裁判員・裁判員経験者に関する提言」
⑤「裁判員制度をより公正なものにするための提言」
専門家だけではなく、司法の担い手となった市民お一人お一人が、裁判員制度を正面から考え、ともに議論するきっかけが生まれるよう心からの願いを込めて、この提言を発表いたします。
■2018年「市民からの提言2018」はここからダウンロードできます(PDF)
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