陪審法廷
2009年6月23日
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「法は万能なものじゃない。極端な言い方をすれば、最大公約数的な部分をカバーするガイドラインだ。法の上では犯罪とされる行為でも、状況如何によっては、それも人間としてしかたがない行為だったと認定される場合だってある。そう、法という人間の感情を排した代物に、人間の感情を吹き込む。それが陪審という制度なんだよ。」
この小説の舞台はアメリカ合衆国のフロリダ州。主人公は陪審制度によって裁かれる日本人の少年。父親から性的虐待を受けている隣家の少女のために少年は完全犯罪を目論見、殺人を犯してしまう。罪状は第一級殺人罪。(詳しくは本編にて)陪審員として選ばれた12人の“アメリカ人”はどういった判決を下すのか。
市民が市民を裁く意味とは。本書を読んでいると自然と陪審制について勉強しているという気持ちにさせてくれる。陪審制度は裁判員制度と異なるものなのだが、本書は裁判員制度を意識してつくられているらしい。
小説であるのでスラスラと読めてしまう。ぜひ移動時間などの空いた時間にでも良いので読んでもらいたい。裁判員制度について自分の中で考えが持てるのではないかと思う。
上記の文章は本編中に出てくる弁護士が語る言葉。心に残ったので載せました。
評:木曽 太地(裁判員ネット・スタッフ)