ホーム > 裁判員ネットとは > スタッフコラム


スタッフコラム

>> スタッフコラム一覧へ

フォーラム「検証・裁判員制度の半年」を開催しました!

2009年11月30日

200911291916091

 

裁判員制度市民モニター報告「検証・裁判員制度の半年」を昨夜(11月29日)、東京・渋谷で開催しました。

当日は、たくさんのみなさまにご来場いただきました。
本当にありがとうございました。

裁判員ネットでは裁判員裁判を市民の皆さんが傍聴し、評価し、考える、「裁判員制度市民モニター」を実施しています。
これまでに71件の裁判員裁判が全国で実施されていますが、このうち裁判員ネットへ寄せられたモニター結果は13件の裁判であり、33名の方がモニターとして裁判を傍聴しました。

このフォーラムでは、各地の市民モニターのみなさんから集まったデータをもとに、裁判員制度の検証を行いました。

今回のフォーラムの前半では、①みなさんから集まったデータの公表、②モニターの皆さんで実施した「模擬評議」の内容、③裁判を傍聴した上での感想や意見を交換する「ディスカッション活動」の内容などについての報告を致しました。

まず①データ公表においてはモニターのみなさんが裁判員裁判をどのように「評価」しているのか、ということについての報告になりました。たとえば、裁判の「わかりやすさ」をめぐる評価についてですが、検察側の「冒頭陳述」や「論告・求刑」などにおける主張の分かりやすさを問う質問については、ほとんどの人が「わかった」と回答しました。一方、弁護側の「冒頭陳述」や「最終弁論」など、その主張のわかりやすさを問う質問については、モニターからは「わかりやすかった」という意見もあれば「ややわからなかった」との回答も多くあり、バラつきがありました。

また「わかりやすさ」をめぐってはモニターからは「『わかりやすい』ことが本当に真実の追求になっているのか?」「画像や映像がセンセーショナルな使われ方をしていないか?」といった疑問や指摘の声がありました。

まず、こういったいくつかのデータを見ていただきました。

次に、「模擬評議」の報告においては、どういったポイントで議論がされたのか。また主張を変えた人は、どういうポイントで主張が変わったのか、といったことを示しました。
そして、「意見交換会」の内容報告では傍聴者からはどのような声が出てきたのかということについても、まとめた形でみなさんに報告しました。

フォーラムの後半は学生や社会人の傍聴経験者による裁判員制度についてのパネルディスカッションを行いました。
テーマは「市民感覚とは何か」で、それぞれ裁判員裁判を傍聴した経験がある上での、率直な感想、意見を出し合いました。

その中で、「裁判員をやりたいか、やりたくないか」という話になり、「実際にやってどんなものか経験してみたい。ぜひやりたい」という意見がある一方で、「やりたくない。精神鑑定など難しい証拠にもとづいて判断しなければならないこともある。知識が乏しい中で判断するのは、怖い」といった意見交換がなされました。

裁判員ネットでは、今後も裁判員制度市民モニターを継続していく予定です。
そして定期的にこのようなフォーラムを開催し、モニターから集まりました声を、この機会にみなさんにお伝えしていく予定です。

また、フォーラムの模様は、このホームページでも動画で配信する予定です。

ご興味がございましたら、そちらの方も是非ご覧下さい。

(裁判員ネットスタッフ・坂上暢幸)

※なお、このフォーラムの内容については、共同通信より以下の記事が配信されました。
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112901000576.html



COPYRIGHT (C) Saibanin.net.ALL RIGHTS RESERVED.