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第8回裁判員制度フォーラム「傍聴のすすめ~新しい法教育をめざして」を開催しました

2013年5月21日

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本日2013年5月21日で裁判員制度は開始から丸4年が経過し、5年目に入りました。それを前にした5月18日(土)、東京都千代田区立日比谷図書文化館にて裁判員制度フォーラム「傍聴のすすめ~新しい法教育をめざして」を開催しました。
当日は120名を超える皆さまにご参加いただき、本当にありがとうございました。

全国初の裁判員裁判と同時にスタートした『裁判員制度市民モニター』には、この4年間で240名以上が参加し、モニタリング件数は約480件となっています。また裁判員裁判を傍聴した後に行っている「模擬評議」の実施件数は23回となり、これまでに約200名の方に参加していただいています。

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第1部・レポートセッションでは、学生メンバーから『裁判員制度市民モニター』として裁判員裁判の傍聴・模擬評議・意見交換会を行った事例を詳しく取り上げ、モニター参加者からの意見を紹介しながら「市民の視点から裁判員制度がどのように見えているのか」について、具体的なケースにもとづいての検証報告を行いました。

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続く第2部・トークセッションでは、「傍聴のすすめ」と題して傍聴方法や注意点などを解説するとともに、市民の司法への理解(司法リテラシー)向上という観点から、裁判員になるかもしれない私たちはどのような準備をすればよいのかをテーマに対談を行いました。そして、「いつかは裁判員になるかもしれない」立場から、学校や地域での法教育のあり方についてや、「裁判員になる前に一度は傍聴しておけば良かった」などといった裁判員経験者の生の声も紹介しながら、裁判員に選ばれる前に実際に裁判員裁判を傍聴することの意義についても考えました。

最後にこれらを受けて、質疑応答・意見交換を行いました。会場の皆さんから「市民モニターへの参加の仕方」や「裁判員制度の在り方」「裁判員の心のケア」、「法教育の展望」などたくさんの質問をお寄せいただき、それにもとづき様々な意見交換がなされました。

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私は、市民も裁判員裁判を傍聴することで、法廷の雰囲気や審理の流れをつかむことができると考えています。私たち市民には法律の専門的な知識は必要ないかもしれませんが、その一方で法廷の雰囲気や裁判の流れといった基本的なことや、刑事裁判の理念・原則への最低限の理解は必要だろうと考えています。裁判員裁判を傍聴することは、それらをつかむことに役立ちます。
またそれに留まらず、傍聴は事件の背景にある社会で起こっている様々な課題にも触れ、深く考える機会にもなると感じています。私も法廷という場に立ち会いながら「傍らで」「聴く」ことの意味を受けとめつつ、傍聴したいと思っています。

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今後も裁判員ネットでは、『裁判員裁判市民モニター』や講座・出張授業などを通じ、多くの皆さんとともに市民の視点から裁判員制度について考える機会をつくっていきたいと思います。

次回(第9回)のフォーラムは2013年11月中旬を予定しております。
今後ともお力添えのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(理事・坂上暢幸)



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